大阪府大東市のマンションの一室で住人の女子大生が殺害された事件で、被害者の吉岡桃七(ももな)さんは平成30年春に大阪産業大(大阪府大東市)に入学したのを機に現場マンションに入居していた。京都府京丹後市出身で、大学ではサッカー部のマネジャーを務めており、同級生の女性(21)は「悪口とか愚痴を言わない、相手のことを考える子だった」。最近も連絡を取り、「緊急事態宣言が明けたらドライブに行きたいねと話していた。信じられない、何で桃七が…」と涙を流した。
一方、吉岡さんを殺害した疑いがある嘉本(かもと)悟社員は、同府吹田市に本社のあるビルメンテナンス会社に所属。派遣先を転々としていたとみられ、現場マンションには約5年前から住んでいた。吉岡さんとの接点は確認されていないが、吉岡さんは周囲に「マンション内で怒鳴り声が聞こえて怖い」と漏らしたこともあった。
最近まで嘉本社員の隣に住んでいた20代男性も4月上旬の夕方ごろに突然、壁をドンドンとたたかれた。数時間にわたって続き、数日後にも、深夜から朝にかけて同様の行為が繰り返されたという。
当時、男性は就寝中などで大きな物音を立てていなかったが「執拗(しつよう)に壁をたたかれて恐怖を感じた。自分が狙われていたかもしれないと思うと、震えが止まらない」と振り返る。嘉本社員にあいさつしても、無視されたという。
男性は「吉岡さんの部屋がうるさいことは今までなかった」と証言。嘉本社員が一方的に恨みを募らせていた可能性もあり、大阪府警が動機を調べている。
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