この記事の冒頭でおすぎは亡くなったとあるが、実は2人とも認知症になっているようで、冗談ではないようだ。実に老齢化の残酷な話だった。親戚を含め周りにいる70代はまだ認知症になっている人がいないので、こんなにもショックな記事を読むと今後の日本が心配になる。
不機嫌そうな顔で「ちょっと嫌なの」とつぶやきスタジオを笑わせたが、ピーコは昨年から自身の環境を変えていた。昨夏、個人事務所「オフィスおすぎとピーコ」をひっそりと閉鎖。おすぎが姉から相続した神奈川県横浜市内のマンションに引っ越しを済ませていたという。
約50年ぶりとなる兄弟の同居生活。衝突と雪解けを繰り返した名コンビは、人生の最晩年を並走しようとしていた。だが──。4月下旬、横浜の自宅から出てきたピーコに、おすぎとの同居生活について聞くと衝撃の言葉が飛び出した。
「おすぎ？ おすぎはもう死にました」
絶句する記者にピーコはこう続けた。
「ずっと認知症で入院していたのですが、2月に亡くなりました」
──存じ上げておらず申しわけございません……。
「亡くなって、お骨になって帰ってきたの。もうこれで……すみません」
そう言うとピーコは涙ぐみながら自宅へと戻っていった。老老介護を始めたばかりだった兄弟に何が起こったのか。
おすぎ（本名・杉浦孝昭）とピーコ（本名・杉浦克昭）は、1945年1月18日、横浜市に生まれた。両親と13才年上の長姉、9才上の次姉がおり、5分早く生まれたピーコは兄としてしつけられ、常におすぎを気にかける弟思いの兄だった。
現在、ピーコは横浜の自宅に、おすぎは近隣の高齢者施設に入居している。つまり、おすぎは亡くなっていなかった。
「おすぎさんは介護認定も受けており、成年後見人が決まりそうですが、自宅でひとり暮らしを続けるピーコさんも心配です。いまは、行政のかたが週に何度かピーコさんの自宅に様子を見に行っている状況。ただ、部屋にはゴミがたまっていて、身の回りのことは何もできていないように見えます。
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