【会社の勤怠システム】タイムカード15分切り捨て違法の可能性「1分単位で考えるのが一般的 」

●労働時間は1分単位で考えるのが一般的

要するに、今は、始業時刻や終業時刻、休憩の開始時刻や終了時刻を正確に把握することが可能になっている時代なのです。質問者の会社の勤怠システムも、15分単位で記録する仕様ではなく、1分単位での記録も設定できるようになっているはずです。 そして、いつの時代も、みなし労働時間制などを採用していない事業所では、労働時間に応じて賃金を支払うのが大原則であり、15分未満は切り捨てていい、などという法律などはありません。 ちなみに、一般的に言って、時間は1分単位で計測するものとは限らず、もっと細かい単位で計測することが必要な場合もありますが、労働時間については、1分単位で計測するのが感覚的に合っているということなどから、1分単位で考えるのが一般的です。 なお、時間外労働等の時間数について、1か月の合計で1時間未満の端数がある場合には30分未満を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げるという方法を認めている通達があります(昭和63年3月14日付の労働省通達、基発第150号)。これは、当時の労働時間の集計が電卓などで行われていたことを考慮したもので、PCなどを使えば分単位の計算も簡単にできる現在の状況に合っているとは思えません。 そのため、私は未だにこの通達が有効なものとして扱われていることについて、疑問を持っています。ただ、この通達を前提としても、毎日、15分未満の労働時間を切り捨てるという方法は違法と言わざるを得ません。  【取材協力弁護士】 寺岡 幸吉(てらおか・こうきち)弁護士 社会保険労務士を経て弁護士になった。社労士時代は、労働問題を専門分野として活動していた。弁護士になった後は、労働問題はもちろん、高齢者問題(成年後見や高齢者虐待など)、高齢者問題の後に必ずやってくる相続の問題などにも積極的に取り組んでいる。 事務所名:落合・深澤法律事務所

https://news.yahoo.co.jp/articles/20bc9d3fddb06570be15ea89916c8ae2c4eb283a
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