KENSO小口健一さん急逝、清水義央がブログで42年の友情を追悼「無二の親友でした」
プログレッシヴ・ロック・バンド「KENSO」のキーボード奏者、小口健一(おぐち・けんいち)さんが急逝されたことが分かりました。バンドのリーダーでありギタリストの清水義央(しみず・よしお)さんが、2025年8月19日に自身のブログを通じて訃報を公表しました。清水さんは「皆様に悲しいお知らせをしなくてはなりません。無二の親友、小口健一君が急逝されました」と綴り、約42年にわたる友情と音楽の軌跡を振り返りました。
清水義央が伝えた突然の別れ
清水さんのブログによると、2人が出会ったのは1983年の秋。当時、まだ若いバンドだったKENSOにとって、小口さんの加入は大きな転機でした。以来、ふたりは音楽の現場で切磋琢磨しながら、プライベートでも語り合うかけがえのない存在となりました。
「彼と出会ったのは私の記憶に間違いがなければ1983年の秋。約42年にわたってKENSOで切磋琢磨しながら濃密に関わった大切な友でした。とにかく音楽が好きで、私も彼にいろいろな音楽を紹介したし、彼からもたくさん教わりました」と清水さんは回想。
さらに「『清水さん、これ知ってます?』そんな声が今でも聞こえてくるようです」と記し、長年にわたる交流の温かさが伝わる言葉で締めくくっています。
深夜まで続いた音楽談義と、数々の思い出
ブログでは、小口さんとの具体的な思い出も語られています。夜を徹して音楽談義を交わしたこと、アルバム『夢の丘』のジャケット写真を模した遊び心あふれる撮影秘話、さらにはリハーサルやステージ上での合図「1,2,3,シパッ…」という独特な掛け声まで、ユーモラスで親密なエピソードが次々と紹介されています。
また、入院中の小口さんと交わしたメールのやりとりにも触れられています。最後に話題に上ったのは、往年のハードロック・バンドDeep Purpleについての話だったそうで、音楽が常に2人を結びつけていたことが伝わります。
清水さんは「小口君の笑顔や、時に突拍子もない発想が、今も心に鮮やかに蘇ります」と記し、突然の別れを受け入れられない心境を吐露しました。
独創的な音楽性 ― “小口ワールド”と呼ばれた存在
小口さんの演奏スタイルは、KENSOにおいても際立った個性を放っていました。清水さんのメロディアスで緻密な作曲とは対照的に、小口さんは無機質で実験的ともいえる音世界を構築し、ファンの間では“おぐちワールド”と呼ばれる独特の響きを生み出しました。
音楽プロデューサーや評論家からも「もっとも才能があるミュージシャンの一人」と評され、バンドのツイン・キーボード・アンサンブルに不可欠な存在として活躍。代表作として知られる「月夜舟行」では、その緊張感あふれる音の連なりが鮮烈に刻まれています。
清水さんはブログの中で、「ファンの皆様、ぜひ小口君の独創的な曲を聴き直してみてください」と呼びかけています。
KENSOとともに歩んだ42年
KENSOは1980年代から活動を続ける日本のプログレッシヴ・ロック・バンドで、国内外のプログレファンから高い評価を得てきました。その中で小口さんは、独特のキーボードワークによってバンドのサウンドに奥行きを与え続けてきました。
ライブDVDやドキュメンタリー映像でも、その姿を見ることができますが、清水さんは「今はまだ振り返る気持ちになれない」と胸の内を明かしています。
42年という歳月は、単なるバンドメイトを超えた家族のような絆を育みました。小口さんの存在が、KENSOの音楽の多様性と奥深さを形作ってきたことは間違いありません。
受け入れられない喪失と、これからの追悼の形
清水さんはブログで「ご冥福を祈りたいけれど、今はまだ受け入れられない」と率直な心境を綴りました。突然の別れに言葉を失う一方で、ファンや仲間に向けて「ぜひ彼の音楽を聴き返してほしい」と強く訴えています。
訃報に接したファンからも、SNSや音楽コミュニティで「信じられない」「KENSOのキーボードといえば小口さん」「あの独特なフレーズが忘れられない」といった声が相次ぎました。
小口健一さんの音楽を聴き継ぐということ
小口さんは「鍵盤奏者」という肩書き以上に、音楽そのものを深く愛し、その知識と感性を仲間と分かち合い続けました。清水さんが振り返るように「彼からもたくさん教わった」ことは、KENSOの活動を通じて多くのリスナーにも伝わっています。
これからのファンにできることは、彼が残した音楽を改めて聴き直し、そのエッセンスを受け継いでいくことです。小口さんの音色に耳を澄ませれば、きっとその向こうに、笑顔で「清水さん、これ知ってます?」と語りかける姿が浮かんでくるはずです。
まとめ ― 音楽と友情が刻んだ42年の軌跡
プログレッシヴ・ロック・バンド「KENSO」のキーボード奏者として、日本のプログレシーンに独自の足跡を残してきた小口健一さん。清水義央さんとの42年にわたる友情と音楽の絆は、ファンにとっても大切な物語として刻まれています。
突然の別れは深い悲しみをもたらしましたが、小口さんの残した音楽は、これからも聴く人の心を揺さぶり続けるでしょう。ファン一人ひとりがその音楽を再び耳にし、思い出を心に留めることこそ、最大の追悼となるはずです。
小口健一さんのご冥福を、心からお祈り申し上げます。








