北海道三笠市•メガソーラー計画問題で違法工作物?カナダ資本による農地法違反の真相と問題点一体何が起きた?

北海道三笠市で持ち上がっている大規模なメガソーラー建設計画。ワイン用ブドウ畑が広がる美しい景観が特徴のこの地域で、カナダ資本の事業者による「違法工作物の設置」という深刻な問題が発覚しました。

「地盤調査をしただけ」という事業者の主張に対し、北海道と三笠市は「違法な工作物」と認定し、撤去指導を行っています。

本記事では、三笠市で起きているメガソーラー問題について、何が違法だったのか、なぜ問題視されているのかを分かりやすく解説します。

この記事の目次

何が起きた?三笠市メガソーラー問題の概要

北海道三笠市の達布山(たっぷやま)近くの農地で、カナダ資本の日本法人が出資する合同会社が、約80万平方メートル(東京ドーム約17個分)もの広大な土地にメガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設を計画しています。

問題の発端は、2025年11月下旬、近隣住民が農地に見慣れない「杭(くい)」が打たれているのを発見したことでした。

発覚した事実

  • 無許可での杭打ち:事業者は地盤調査の名目で、許可なく農地に杭を打ち込み、そのまま放置していました。
  • 虚偽の説明:事業者は当初、住民に対し「杭打ちはしていない」と説明していましたが、実際には複数箇所(少なくとも5箇所)で杭が見つかっています。
  • 行政指導:これを受け、北海道と三笠市は「違法工作物」にあたるとして、撤去するよう行政指導(口頭および文書)を行いました。

なぜ「違法」なのか?農地法違反のポイント

「自分の土地(または契約した土地)なんだから、杭くらい打ってもいいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、日本の法律、特に「農地法」は農地を守るために非常に厳しいルールを設けています。

今回のケースで法的にアウトとなった理由は主に2点です。

1. 農地転用の許可を得ていない(農地法違反)

農地に、農業以外の目的で工作物(ソーラーパネルの基礎や調査用の杭など)を設置する場合、たとえ一時的であっても、事前に都道府県知事などの許可(農地転用許可)が必要です。

今回の杭は、農業用ではなく「メガソーラー建設に向けた地盤調査用」であったため、無許可での設置は違法となります。

2. 農業振興地域での無許可開発

計画地一帯は、三笠市によって「農業振興地域」に指定されています。ここは将来にわたって農業を行うべき場所として守られているエリアです。

このエリアで開発行為を行うには「農業振興地域整備法」に基づく市の許可も必要ですが、事業者はこれらの申請を行っていませんでした。

事業者の苦しい言い訳と住民への不誠実な対応

この問題に対する事業者の対応が、さらに火に油を注いでいます。

  • 「違法性の認識はなかった」:道や市の調査に対し、事業者はこう釈明しています。しかし、大規模開発を行うプロの事業者が農地法の基本を知らなかったというのは、あまりに杜撰と言わざるを得ません。
  • 住民への嘘:前述の通り、住民には「杭打ちはしていない」と説明していながら、実際には打っていました。この不誠実さが住民の不信感を招いています。
  • 取材拒否:事業者はメディア(読売新聞)の取材に応じていません。

ワインの産地への懸念と今後

計画地周辺は、近年高い評価を受けている北海道ワインの原料となるブドウ畑(ヴィンヤード)が広がる一大産地です。

メガソーラー建設による景観の悪化や、土壌環境への影響、反射光による農作物への被害など、近隣の農家やワイナリーからは懸念の声が上がっています。

今後の展開

事業者は「近日中に可能な箇所は抜き取る」と説明していますが、一度失った地域住民からの信頼を取り戻すのは容易ではありません。また、2026年5月から予定されている本工事に向けて、適正な手続きが進められるのか、厳しい監視の目が向けられています。

再生可能エネルギーは重要ですが、法律を無視し、地域住民や農業を脅かす形での開発は許されるものではありません。三笠市の今後の対応と事業者の出方が注目されます。

この記事を書いた人: NEWS FOREST 編集部

独立系メディアとして、自然・社会・人の調和をテーマに取材・発信を行っています。

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