16日、一連の騒動が収束の兆しを見せない中、取材班は自由が丘からほど近い住宅街にある店舗を訪れました。店頭にはうさぎの看板がかかり、黒板には「小麦・米粉・国産のものを使用させていただいております」とのメッセージが書かれています。
取材班がインターフォンを押すと、憔悴しきった店主の山崎さんが、携帯電話を手に店から出てきました。「昨日からずっと無言電話や恫喝めいたメールが絶えなくて…。でもお客さまの返金対応もしないといけないし、どうしたらいいか…」と、山崎さんは少しだけ時間をもらい、近所のファミレスで話を聞くことができました。
以下は、「本当に、お客さまにご迷惑をおかけして申し訳ない思いでいっぱいです。本当にすいません」と何度も頭を下げる山崎さんとの一問一答です。
質問者: 安心を売るはずのお店が、まったく安心できない結果を招いてしまった。なぜこうなってしまったのでしょう。
山崎さん: 昨日、保健所のかたが立ち入りにいらして話をお聞きしたのですが、焼いてから販売するまでの期間が長かったのが問題でした。マフィンは11月6日から毎日つくっていて、11日と12日に販売したのですが、時間があきすぎてしまいました。
質問者: 1日に何個くらい焼き上げたのですか。
山崎さん: 全部で3000個出したので、1日あたり500個になります。小さいお店で作り手は私だけですから、毎日朝7時から夜22時くらいまでかけて焼き上げました。デザインフェスにはこれまで5回出させてもらっているのですが、毎回このペースでつくっていました。
質問者: ふだんから利益はそれなりにあったのですか。
山崎さん: そうでもないんです。材料費が高いこともあり、本当に家族みんながギリギリ食べていけるかどうかの売り上げです。それこそ月によっては赤字のこともあります。純利益でいえば、多くて20万円ある月もあれば、2万円くらいの月もあります。
質問者: なんで納豆のように糸を引くようなことになってしまったのでしょう。
山崎さん: わからないですが、栗が傷んでしまった可能性があります。栗は傷むとねばつきが出ます。また、他のかたからも指摘を受けましたが、販売当日は外気温が高く、会場内も熱気があったことも原因かもしれませんが、保健所の見立て通り、つくってからの日数が経ちすぎたことが原因だと思います。
質問者: 今後お店はどうされるおつもりですか。
山崎さん: まだわかりません、まずはご迷惑をかけたお客さまへの対応をしていくつもりです。ただ、どうしても今回の件で厳しい批判の声や無言電話、イタズラ電話も多く、リコールなどのお客さま対応がなかなかできないのが現状です。昨日は私の名前で面識のない幼稚園などに殺害予告のメールをする人まで出てきて、警察に相談したり、対応に追われました。商品回収も着払いで対応しようとしたのですが、警察から止められており、2転3転して申し訳ないです。私への意見もあると思いますが、購入された方への対応を一番にしていきたいので、ご理解をお願いしたいです。
出店:https://sn-jp.com/archives/145066#google_vignette