立浪監督は昨秋の就任時、根尾は外野一本と宣言した。ところが、課題の打撃で力不足を露呈すると、開幕後には遊撃手に。そして、交流戦前には投手を兼ねた二刀流と、起用法は二転三転している。二刀流挑戦でさえ、球界では否定派が圧倒的多数だった。それがプロ入り時に断念したはずの投手専念とは、思い付きにしか映らないようで、とりわけ中日OBの鈴木孝政氏は舌鋒鋭く批判する。
通算124勝、最多セーブも獲得した元投手は、地元のラジオ番組で「ちょっと違うんじゃないかと思うんだけどなあ。甘くねえぞって」と“立浪プラン”にダメ出しした。返す刀で、上体に頼り、下半身を使えていない根尾のフォームの欠点を指摘。「大阪桐蔭で投げていたといっても(相手打者は)プロですから。ぽっと来て1軍で投げて活躍するなんてことはちょっと考えられない。考えたくもない」と言語道断と言わんばかりだ。
別の元選手も同調する。コーチで中日のユニホームに袖を通したOBは「根尾が150キロを投げられるとしても、それだけではプロでは通じない。制球力、変化球の質、けん制を含めた守備など1軍のマウンドに立つためには克服すべき課題が山ほどある。ここまでの根尾の登板を見る限り、1軍レベルの投手にはほど遠い」と断言。「立浪監督の契約は3年。契約期間中にものになると本気で考えているとは思えない」と首をかしげるしかない。

13日、中日ドラゴンズ 根尾晃(ねおあきら)選手が野手から投手へ転向することがすることが明らかになった。ファンからは根尾の野手の姿が見たかったと立浪監督に不満の声が上がっているが、今季のチーム成績を見ると投手転向させる理由が見えてくる。
今季の中日ドラゴンズは6月14日現在チーム打率がリーグ3位と打撃ではそこそこの成績となっているが、直近の試合では6試合で9得点と中村紀洋打撃コーチが2軍へ、配置転換してからは打撃の方も下降気味だ。得点力不足が目立ってきており、さらにベンチの雰囲気も最悪だ。
さらに、首脳陣が頭を抱えているのは、チームホールドP最下位の中継ぎ陣、先発投手の枚数不足だ。チーム防御率はリーグ5位(3.68)と投手陣は試合ごとに波が激しい。特に接戦の試合を落としている。(※6月13日現在、セリーグ首位のヤクルトはHP74、中日は54)
今季、根尾は打者としての打率が211、本塁打0、打点4、盗塁0と打者とし、プロ4年間の通算打率も1割台と、不甲斐ない成績だけに台所事情から行くと投手転向も致し方ないだろう。ファンが立浪監督だけを責めるのは問題がある。
元ヤクルトスワローズの宮本氏も交流戦を見て、こんなに中日戦を見たのは初めて。とし、一生懸命に戦っているけど、やっぱり戦力的には苦しいよなぁ。と述べ。戦力不足を口にした。
根尾投手の今後としては一軍のマウンドで中継ぎとして数試合試した後、使えなければ2軍で育成、戦力となりそうであれば中継ぎで様子見ながら枚数の足りない先発としての起用もあるだろう。ストレート、スライダーともにキレが良く押し込める要素もあるが、ストレートが真ん中に集まることが多くコントロールに難あるのが今後の課題だ。根尾晃選手の投手転校が吉と出るか凶と出るか、甲子園を沸かせた〝スターの原石″とも言える逸材の今後に目が離せない。